月: 2022年6月

経団連がコロナ対策指針を大幅改定

経団連は17日、オフィスや工場を対象とする「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を改定したと発表した。設備・物品の頻繁な消毒を求める項目を削除するなど、大幅に簡素化。テレワークや時差通勤の検討は感染拡大期に行うべきとする記述に修正し、出張については「地域の感染状況に注意する」との記述を削除した。

「男女の賃金格差、中小も公表を」労政審分科会が厚労省案を了承

労働政策審議会雇用環境・均等分科会は17日、男女の賃金格差の開示について常用労働者数301人以上の企業に対し7月にも義務化すること、また同300人以下の企業にも公表を促すことを、了承した。女性活躍推進法が企業に求める情報公開の項目に「男女の賃金の差異」を追加し、公表を促す。算出・開示方法については、男女の平均年間賃金を算出したうえで、男性の賃金平均に対する女性の賃金平均の割合を、全労働者/正規雇用労働者/非正規雇用労働者の3区分で自社のホームページ等で公表する案が示され、おおむね了承された。

国民年金保険料の免除・猶予、過去最多

厚生労働省は23日、2021年度に国民年金保険料の納付を全額免除・猶予された人は前年度より3万人増え、612万人(加入者の4割強)で、過去最多であったと発表した。コロナ禍で大幅減収となった人の保険料の全部または一部を免除・猶予する特例措置の導入などが影響した可能性があるとの見解を示している。

障害者の就労能力評価の新サービス創設、「一人暮らし」支援へ

厚生労働省社会保障審議会障害者部会は13日、障害者総合支援法改正に向けた報告書をまとめた。年内の臨時国会での法改正を目指す。就労支援では「就労選択支援」サービスを創設する。適性や能力を評価し、働くうえで必要な配慮を整理して福祉事業所で働きながら企業での就労できるようにするなど、就労先の選択肢を増やすねらい。また、障害者が共同で暮らすグループホームに、一人暮らしやパートナーとの同居を希望する人を支援する新たな種類を設けて自立を後押しする。

石綿遺族給付金請求期限 32年まで延長

アスベスト(石綿)による健康被害で死亡した人の遺族への給付金などの請求期限を、2032年3月まで10年間延長する改正石綿健康被害救済法が13日、参議院本会議で可決、成立した。延長の対象となるのは「特別遺族給付金」と「特別遺族弔慰金」。いずれも今年3月27日で期限切れとなり、支援団体などが延長を求めていた。

コンビニFCオーナー 労組法上の「労働者」と認めず

コンビニFCオーナーが労働組合法上の労働者に当たるかが争われた訴訟で、東京地裁は6日、「労働者には当たらない」との初めての判断を示した。中央労働委員会の命令を是認した内容となる。原告のユニオンは2009年に会社から団体交渉を拒否され、その救済申立てに対し14年に岡山県労働委員会から団体交渉に応じるよう命令が出されたが、再審査の申立てを受けた中央労働委員会が19年に結論を覆していた。

石綿訴訟 メーカーを全国一斉提訴

建設現場でアスベスト(石綿)を吸い健康被害を受けたとして、作業員や遺族が建材メーカーに損害賠償を求める訴訟を全国10地裁に一斉に起こした。石綿訴訟では、昨年の最高裁判決を受け国の和解金支払い等で基本合意がある一方、メーカーとは個別の審理が必要で、メーカーから賠償金を支払われた被害者は1割程度にとどまり、各地で訴訟が続いている。