月: 2023年6月

骨太の方針閣議決定

政府は16日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」と新しい資本主義実現に向けた実行計画の改訂版など、政府3計画を閣議決定した。「リスキリング」「職務給の導入」「労働移動の円滑化」の三位一体の労働市場改革、少子化対策などが盛り込まれた。必要な政府支出は、令和6年度予算の概算要求や予算編成で具体化する。

「カスハラ」労災認定基準に追加 厚労省検討会が提言

厚生労働省の検討会は20日、うつ病など精神障害の労災認定基準に関する報告書をまとめた。カスタマーハラスメント(カスハラ)による被害を新たな類型として認定基準に加えるよう提言。また、パワハラ事例の中に「性的指向・性自認に関する精神的攻撃」を受けた場合を加えるべきだとした。厚労省は、今秋にも基準を改正する方針。

再雇用者の賃金めぐる違法判断見直しへ 最高裁で弁論

定年退職後の再雇用で基本給などの賃金が大幅に減額されたのは不当だとして、名古屋自動車学校に勤めていた男性2人が同社に定年前との差額分の支払いを求めた訴訟の上告審弁論が22日、最高裁第1小法廷で開かれ、結審した。判決は7月20日。正社員と再雇用者の基本給の格差について、初判断が示される見通し。

特定技能2号 11分野に拡大 閣議決定

政府は9日、在留資格「特定技能2号」の対象を現在の2分野から11分野へ拡大する方針を閣議決定した。新たにビルクリーニング、自動車整備、農業、外食業など9分野を追加する。今後、法務省令改正により対象を追加、今秋にも9分野の試験を開始して合格者は来年5月以降、在留資格変更が認められる見通し。

正職員の有給減 JP労組了承

日本郵政グループ最大の労組である日本郵政グループ労働組合(JP労組)の定期全国大会で、15日、夏冬の有給休暇を期間雇用社員に各1日付与する一方で正社員は各1日に減らすという、会社の見直し案受入れを含む運動方針が、了承された。この有給休暇は、2020年10月の最高裁判決で「不合理な格差」とされていた。現在正社員が各3日、アソシエイト社員は各1日、期間雇用社員は0日とされているが、今年10月以降、すべて各1日となる。正社員は有給休暇を削減される代わりに、基本給が一律3,200円引き上げられ、このうち1,600円分は4月から実施済み。

LGBT法案 成立

性的少数者に対する理解を広めるためのLGBT理解増進法案が、16日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。与野党より3案が提出されていたが、与党案にあった「性同一性」の文言は「性同一性」と「性自認」のいずれにも訳せる「ジェンダーアイデンティティ」に置き換えた。「不当な差別はあってはならない」という表現は残り、「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」との条文を加えた。

12月から白ナンバーの飲酒検査義務化

警察庁は8日、白ナンバーの車を使う事業者に対するアルコール検知器を使用したドライバーの飲酒検査について、12月1日から義務化する方針を示した。2022年10月に義務化予定だったが、世界的な半導体不足の影響で検知器の供給が遅れ、延期していた。白ナンバー5台以上か、定員11名以上の車を1台以上使用する事業者が対象。

外国人介護福祉士 3年で5倍超に

出入国在留管理庁などの調査で、介護福祉士の資格を取得して働く外国人が2022年度で約6,900人と、19年度の約1,300人から5倍超となっていたことがわかった。厚生労働省は介護人材確保に対応するため、今年度中に外国人介護福祉士受入れの課題などに関する実態調査を実施する方針。

就職差別に関する連合調査 3割「男女差別」感じる

連合が3年以内に就職試験を受けた全国15~29歳の男女1,000人を対象に実施した調査結果で、就職活動中に男女差別を感じたことがあると回答した人が32.8%(男性30.1%、女性35.7%)だったことがわかった。「男女で採用職種が異なっていた」が最も多く、「採用予定の人数が男女で異なっていた」が続いた。その他、「学歴フィルター」を感じたことがある人は40.4%、新型コロナ感染症に関することで差別を受けたことがある人は10.1%だった。

マイナンバー法等改正案 成立

2024年秋に現行の健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードに一体化させることなどを盛り込んだマイナンバー法など関連法改正案が、2日の参議院本会議で可決・成立した。その他改正案には、年金受給者の預貯金口座とマイナンバーを紐付ける新制度や、マイナンバーを行政利用できる範囲の拡大等が盛り込まれている。